このサイテーな世界の終わりを観て。【サイコパスとメンヘラのロードトリップ?】
THE END OF THE F✘✘✘ING WORLD
邦題:このサイテーな世界の終わり
NetFlixで配信中のこのドラマ。お勧めされて一気見。
友達から聞いていたあらすじは、
『ヤリたい彼女と殺りたい彼氏のロードトリップ』
『彼氏はサイコパス。彼女はメンヘラ』
と言う情報。
確かに間違っていなかったけど、それ以上に深い話でした。自分はどうもこういうカップルが刹那に生きていくのに憧れてしまう。
。。かるくあらすじ。。
以下ネタバレ注意です!!(物語中盤まで)
主人公のジェームス。
彼は幼い頃、目の前で母が自殺しそれ以来感情を失ってしまう。左手の大やけどの跡は彼が『何かを感じたかった』と揚げ物フライヤーに自ら手を突っ込んだからだ。
しかし感情は戻らず動物を殺し始め、人を殺したいと思う様になる。
ヒロインのアリッサ
彼女は母親が再婚し再婚相手から虐待を受ける毎日。母は再婚相手にたてつく事は出来ず見てを見ぬふりをしている。実の父親からは毎年バースデーカードが届くだけ。
と言うヘビィな環境で育った二人は出会い、お互い『こいつは他の奴とは違う』とシンパシーを感じすぐに恋人に。。ただジェームスはアリッサを殺したい。と言う衝動に駆られ付き合い始めます。
彼らはジェームスの父親を殴って車を奪い、プチ犯罪を犯しながらアリッサの実父の元へ旅を始めます。
紆余曲折あり、とある無人の別荘へ侵入。
ジェームスは別荘を物色すると数枚のポラロイド写真を発見。写っていたのは無残な少女の遺体写真。。そして傍にあったビデオカメラはスナッフフィルムでした。
彼らと殺人鬼は案の定、別荘にて鉢合わせ。
殺人鬼は自分の寝室で寝ていたアリッサに襲いかかります。
ベット下に隠れていたジェームス。アリッサを殺す為に肌身離さず持っていたナイフを殺人鬼の首元にクリティカルヒットさせます。水道管破裂の様に血しぶきが舞い、殺人鬼は絶命。
2人はトンデモナイ事やっちゃった感に内心焦りながらも、お互い冷静を装い自分たちの証拠を隠滅し別荘を後に、実父の元へ。。(ついでに殺人鬼死体の周りにポラロイド写真を添えて。
殺人鬼の死体は殺人鬼ママによって発見され、警察沙汰に。
ジェームスとアリッサは隠しきれなかった証拠から徐々に追い詰められていきます。
また、アリッサは何食わぬ顔でナイフで一閃したジェームスに不信感を覚えて離れてしまい。。
と言った感じで終盤を迎えます。。
このドラマの良い所は何より、
ドラマ内で使用されている楽曲がお洒落過ぎる。
50年~60年代の楽曲を中心にここぞと言う場面で流れてくる。
ノスタルジックな雰囲気がこのドラマのダークな部分と良い感じで溶け込んでいるのだ。
1話の冒頭いきなり、バーナデット・キャロルが歌うlaughing on the outsideが流れ
『僕はジェームス。17才。間違いなくサイコパスだ。』
そして赤文字でバーン!とTHE END OF THE F✘✘✘ING WORLD
とタイトル。このドラマはヤバイと開始数秒で心奪われました。
bernadette carrol - laughing on the outside (lyrics)
物語の転換となる、殺人鬼を殺害するシーンで流れているのは
ブレンダ・リーのI'm Sorry
このセンスに脱帽です。
その他もアメリカのカントリーレジェンド、ハンク・ウィリアムズの楽曲も!
サイコパスだったジェームス。最初はアリッサを殺す事で頭がいっぱいでしたが
アリッサの愛情を受け徐々に人としての感情を取り戻していきます。
一方アリッサも『誰一人信用出来ないし自分を守ってくれる人なんて一人もいない!』といった孤独な日常からジェームスと出会った事で愛し、愛される幸せを感じていきます。
だからこそラストはぜひ映像で見て欲しいのですが、色々な解釈が出来そうな終わり方です。
何だろう、テンポも非常に良くお洒落でとても考えさせるドラマでした。
お互いに『この人の為だったら!』で自分が満たされ、支えになりながら人生を懸けれる。
ここまでの信頼関係が構築される体験を自分は出来るだろうか。。
と一種の憧れを抱いてしまいました。
この2人は物を盗み、人を脅し、不法侵入し、殺人を犯したカップルです。
一方で迷子の女の子を親に届けたり、轢き殺された犬を供養してあげたり
といった1面も持ち合わせています。
アリッサの再婚相手は社会的な名誉と財産を手にしています。
しかしジェームスやアリッサとは比べ物にならない位、人間的にはクソです。
そういった意味じゃ2人は純粋なんです。上手く生きる方法が分からないだけで。
環境がそうさせるのか。
過去がそうさせるのか。
そういった意味じゃ非常に重く冷たい話です。
The End of the F**king World | Official Trailer [HD] | Netflix
『僕は18歳になった。今ようやく分かった。人を想う気持ちが。』
:最終話より ジェームス