チャットモンチーと言う名前に騙されるな
2018年、チャットモンチー解散。
時の流れと生き物の関係は現時点において、時の流れの圧勝である。
つまりは人間も生まれた時点で終わりの始まりだ。
バンド結成も似た様なものでバンド結成は終わりの始まりに向かっていくのが常である。
勿論復活と言うウルトラCを決めてくるバンドもあるけれど、結局は変わらない。
曲の始まりだって終わりの始まり。
チャットモンチーと言う素敵な1曲は今、アウトロの真っ最中。
終わり方がフェードアウトになろうがブチっと終わろうが構わない。
どんな終わり方だろうが凄い曲だったし、終わり方も相応しい終わり方になるだろう。
今の若者はチャットモンチーと言うバンドを知っているのだろうか。
SHISHAMO?SCANDAL?ねごと?CHAI?彼女達も良いバンドだけど、チャットモンチーを語らずにガールズバンドは語れない。
Vo.橋本絵莉子 Bs福岡晃子の二人組バンド。結成は2000年4月。
2008年9月まではDr.の高橋久美子が在籍し、女性3ピースバンドの代表格だった。
こんな記事を書く位だから、私も数多く存在するチャットモンチーファンの一人。
ライブハウスにも足を運び、彼女達の演奏を目の当たりに体感し、アルバムを好んでは聴いていた。
チャットモンチーを初めて聴いたのは高1位だったと思う。
1stアルバムの『耳鳴り』と言う作品だった。2006年だからかれこれ12年前。
このデビューアルバムの1曲目『東京ハチミツオーケストラ』
センスの良いジャケットとこの曲を聴いた時に、素直に『これは良い!』と思えたバンドだった。
当時の音楽好き仲間も案の定ハマり、ボーカルの橋本絵莉子の(当時はえっちゃんと呼んでいたw)可愛さにもどハマりした。
この年か翌年かは忘れたけど、ベースボールベアーにもギャンハマりしていた私は、
バイトでお金を貯め、『若若男女サマーツアー』と言う、チャットモンチー、べボべ、シュノーケルの3組が合同でツアーを行うライブに参戦した。えっちゃんとベボベのベース、関根嬢を同時に見れると言うそれはそれは私得なライブだった。シュノーケルはどうでもよかった
学校終わり、軽音部の先輩に
『今日えっちゃんに会ってきます!』『羨ましい!死ね!』
と言うやり取りをしつつ友達と暑い中ダッシュでアイス食いながらライブハウスに向かったのは、青春の一コマだったなぁと今でも懐かしく良い思い出のひとつ。
確か上手側がえっちゃん、下手側が関根嬢だったのでベボベが終わると即効上手側に移動したのを覚えている。
生で見るチャットモンチーは凄かった。
音が鳴って無いえっちゃんは可愛いけど、(そればっかやな)
音が鳴り始めたら別人の様にギターを弾いて歌っていた。エネルギーが凄くてある意味怖いと思ったのが印象的だった。もう音楽の鬼でした。
チャットモンチーの正体、、実はどすグロい。
チャットモンチーと言うポップでキャッチーなバンド名とえっちゃんの雰囲気で
一見、ポシティブでノリが良く、明るい曲が得意なイメージがあるチャットモンチーだが、実際は真逆と言うのが持論。
チャットモンチーと言う可愛いマスコットの下には人間のどす黒くて欲望溢れるリアルで黒い血が流れているイメージがある。
それが分かり易くイメージできるのが、1stに入っているこの曲。
チャットモンチー 『「恋愛スピリッツ」Music Video』
終盤の『だからあなたは私を手放せない』の連呼等はまさに狂気そのもの。
チャットモンチーの中でも凄く質の高い1曲だと思う。
また2018年3月に発売されたトリュビュートアルバムで、この曲を演奏したのがグループ魂と言うのが、もうなんというかチャットモンチーに対して頭が上がらなかった。
だいぶ反れてしまったけど、チャットモンチーは『可愛い!』『ポップ』だけじゃ軽すぎる、そんな印象とは全く違うベクトルに位置するバンドだ。BGMでは無く、ちゃんと音楽を鳴らしているバンドだ。深い場所で表現しているバンドだと思う。
頭に残る数多くの詩的なフレーズや、ブレイクのきっかけとなった『シャングリラ』での効果的な5拍子、ベーシスト界隈がざわついた『Last Love Letter』のイントロベースライン。
音楽的ポテンシャルも単純にずば抜けて高い。
そして2008年のドラム脱退。
正直、これはクソ痛いんですよ。個人的な感想としては。
チャットモンチーのドラム、高橋さんの独特なドラミングはある種チャットモンチーの大きな武器でした。Bloc Partyのマットトンみたいなドラムで凄い良かった。
ただ、そこからの初手がエグイ。ベースの福岡さんがドラムになり、ベースレスバンドで活動するんです。和製White Stripesですよ。本当にイマジネーション溢れる一手だったなと思います。
そしてラストアルバムの『誕生』
そのリード曲もエグイ。
やっぱこの人たち、音楽の鬼です。
本当に面白い音を最後まで聴かせてもらいました。
なんだろう、チャットモンチー初期は、いしわたり淳治がプロデュースだったし、後期のスーパーカーとリンクしてしまう。
とりあえず書きたい事はもっとあるけど、文字数がヤバイのでこのあたりで。
数多く居るファンの中の一人ですがチャットモンチーは自分の中で特別なバンドでした。
薄い紙でこれっぽっちの刃なのですから、チャットモンチー解散と言うえげつない刃で切られてしまった感覚は否めませんが、自分の人生の瞬間、瞬間をとても素敵な思い出にしてくれたチャットモンチーには感謝しかありません。
締めの一曲 レキシ/SHIKIBU feat. 阿波の踊り子